タンパク質の摂取と腎臓の関係
「タンパク質の摂取は腎臓に悪影響を与える」
この話を聞いたことがある方は多いでしょう。
この議論について、現段階での研究結果があるので共有しようと思います。
結論は
タンパク質の食品源をきちんと見極め、過剰に摂取しなければ、腎臓にダメージを与えない
です。
とりあえずタンパク質の1日当たりの推奨摂取量を見てみましょう。
・スポーツをしない方
厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015」によれば、
成人男性で50〜60g、成人女性で40〜50g
であったり、
体重1キロあたり0.8g
とされています。
・スポーツ選手
体重1キロあたり1.5〜2g
- 作者:田口 素子/辰田 和佳子/長坂 聡子
- 出版社/メーカー: ナツメ社
- 発売日: 2007/06/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
より
こちらの成功法則の記事で筋トレの重要性はお話ししましたので、出来れば全ての方がトレーニングをして、スポーツ選手と同じタンパク質量を摂取した方がいいと思います。
(↑トレーナーのエゴ)
次にタンパク質が悪者とされるようになった背景を見てみましょう。
論理的な理由は
私たちが摂取したタンパク質は、体内で合成と分解を繰り返します。その過程において、食事から摂ったタンパク質のうち余った(過剰な)ものは分解されて窒素となります。
窒素を体外に排泄するためには、肝臓・腎臓の働きが必要です。体内の分解過程で必要なくなった窒素はアンモニアに変わります。アンモニアは私たちの体にとって有害な物質であるため、肝臓で無害な尿素に変換されたのちに腎臓で尿として排出されます。
このときにタンパク質を過剰に摂取してしまうと、その分多くの窒素を尿に変換しなければならなくなります。そのため肝臓や腎臓にかかる負担が普段よりも大きくなり、内臓疲労を引き起こしてしまう可能性があるのです。
と言われます。
つまりはタンパク質を代謝する過程で腎臓がブラック企業の社員よろしく疲労困憊に陥ってしまうことにあります。
また、腎不全の治療ではタンパク質の摂取量を制限する食事療法を行っていたこともあるようです。
結論で「過剰に摂取しなければ」と書きました。
上述した通り、アスリートの推奨摂取量は体重1キロあたり1.5〜2gです。
なのでその量を大幅に超えてタンパク質を摂取しない限り、腎臓への悪影響はない、と現段階では結論づけます。
ただ、確かに運動をしていないのに過剰に摂取しすぎたらオーバーカロリーで太るなどの影響は起こりえますので注意して下さいね。