マインド

利他の精神の話 〜一本のバナナ〜

物事に成功法則には「利他」というものがあります。

稲盛和夫氏のOFFICIAL SITEにも「利他の心で経営を行う」という項目がある位です。

 

 

 

そもそも「利他」とは…

他人の福利を願うこと。自分を犠牲にして,他人利益を与えること

仏教用語では,人々に功徳,利益を施して救済すること

とあります。

 

 

 

次に面白い記事を発見しましたので、そちらも引用しておきます。

 

「利他の心」とは、周囲や相手に善かれかしと思う心であり、「利他の経営」とは、 自分のことだけを考えるのではなく、「自分が豊かになりたいと思うならば、周囲 も豊かにするように考え、会社を経営する」ということであります。 つまり、自分が利益を得たいと思うのであれば、同じように利益を得たいと思って いる相手や周囲の人たちの心も忖度(そんたく)して、自分と同じように喜んでも らえるように考えて、経営していくべきだということです。

また、江戸時代に京都で商人道を説いた石田梅岩という方は、「まことの商人は、 先も立ち、我も立つことを思うなり」と申しております。本当の商売人というのは、 相手も立ち、自分も立つことを思うものである。つまり、相手も喜び、自分も喜ぶ ということが、商いの極意であると説いております。 また、滋賀県の近江商人の間では、昔から「三方よし」という言葉が伝えられてい ます。「三方よし」というのは、商売において「買い手よし」、「売り手よし」、 「世間よし」という意味であり、それが、真(まこと)の商人道であると言われて います。つまり、「利他の心」で経営することは、表現こそ違いますが、昔から商 売の真髄として大事にされてきたわけです。

稲盛名誉研究センター長 開設記念講演会講話録

「なぜ経営に『利他の心』が必要なのか」 より

 

 

この様に、高名な経営者の方は例外なく「利他」という心持ちで経営や人生そのものに向き合っています。

 

稲盛和夫氏の事しか例に挙げてはいませんが…

日本資本主義の父と言われる渋沢栄一も

強い思いやりを持って、世の中の利益を考えることは、もちろんよいことだ。しかし同時に、自分の利益が欲しいという気持ちで働くのも、世間一般の当たり前の姿である。(略)この道理と欲望とが、ぴったりくっついていないといけない。

と言っていますし

カーネル・サンダースも

他の人に一生懸命サービスする人が、最も利益を得る人間である

と説いています。

 

 

 

※ちなみに「利他」は「自己犠牲」とは違います。なぜなら自己犠牲は長続きしないからです。「自己犠牲」の精神ですと、それこそ“ボランティア”になりかねませんから。

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ここで私が感銘を受けた一つのお話をしましょう。

それは「一本のバナナ」というお話です。

バナナ, 黄色, 白背景

 

東日本大震災からの復興の目処がまだまだ立たない中、一人の外国人記者が被災地を訪れました。

避難所でインタビューをしている最中、一人の少年と出会います。当然この少年も食糧不足でお腹を空かせていました。

その時、上着のポケットから一本のバナナがポロっと落ちたのです。記者が「このバナナが食べたいか?」と聞くと少年は頷きました。ところがバナナを手渡された少年は、その場で食べるのではなく、避難所の食料置き場にそのバナナを置いたのです。

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これに外交人記者はとても感動し、この出来事は大変な反響を呼んだといいます。

 

自分がとてもお腹を空かせている状態です。その場で自分だけがバナナを食べても何の問題もある訳がありません。

しかしその少年は「自分よりもお腹を空かせている人がいるはずだ。」と考えたのでしょうか?他人のために自分の空腹を満たすという利益を顧みず動いたのです。

 

それは自己犠牲とも言えるのでは?と考える方もいるかもしれません。実際二つの境界線は難しいものです。

ですが自己犠牲かどうかを置いておくとしてもなかなか出来るものではないですよね。

 

 

 

今後自身の人生を幸せに出来るかはこの心の持ちようと言っても過言ではないと思います。どんなに過酷な状況であっても、この少年の様に行動できる人がいることは忘れてはなりません。