トレーナーは治療家なのか?
トレーナーとして働いていると様々な方をみさせて頂く機会があります。
その中で結構多いのが「痛みがあるんだけど我慢して運動している。」という方です。
もちろん筋膜リリースやストレッチや姿勢改善、動きの指導などで改善されることもありますが、根本として“治療”というものが必要だなと感じる方も多いです。
そういった方は原則として医療機関にかかるというのが基本です。
ですが、トレーナーは日本ではまだ曖昧な職業だからなのか、“何でも屋さん”と思われる方が多いです。以前伺ったお話では「水虫ってどうやって治すの?」と聞かれたトレーナーさんもいるのだとか。(そのトレーナーさんは調べて後日回答したそうです。)
ただそもそも、治療家とトレーナーの線引きって難しいかもしれません。柔道整復師や理学療法士が「自分はトレーナーだ。」といってしまえば治療やリハビリができるトレーナーが生まれてしまうわけですから。(それはそれで良いことだとは思いますよ。)
なので現在一般的にトレーナーが扱う業務の対象者をまとめてみようと思います。
その前に説明で使用する専門用語がありますので、そちらを解説します。
Function 機能、働き、作用
Pain 痛み
Disfunction 機能不全、機能障害
Mobility 可動性
Stability 安定性
まずはこんなところでしょうか。
ただMobilityとStabilityは何のこっちゃだと思いますので説明します。
まず二つは関節の役割を示しておりMobility jointやStability jointと言います。
簡単に言うと
Mobility jointは動きを得意とする関節
Stability jointは安定を得意とする関節
と言えます。
例えば腰を曲げて物を取ろうとするとグキッとなって腰痛が起きたりしませんか?それは腰(腰椎)が動きではなく安定を得意とするStability jointだからです。
これがそれぞれの関節にあるわけです。(全ての関節について話すと長くなるのでここでは省きます。)
そしてこれらの働きが低下したり阻害されると問題が生じてきます。
それは以下の通りです。
- Function,No-pain 通常の健康状態
- Function,Pain 機能的な問題はないが、痛みがある
- Disfunction,Pain 機能邸な問題があり、痛みもある
- Disfunction,No-pain 機能的な問題があり、痛みはない
この中では2と3が治療家の領域で、
4がトレーナーが介入するべきところです。
冒頭でも書きましたが、痛みがあったら、その時点で医療機関への受診
痛みがない、もしくは痛みがなくなった場合はトレーナーのもとでトレーニング
これが基本です。
運動は“諸刃の剣”と言われています。
健康をもたらす効果がある一方で、やり方を間違えるとケガなどにも繋がってしまいます。
ぜひご自身の生活レベルの向上、人生の成功法則のためにも、運動を正しく扱って下さい。